2005年3月 2日 水曜日
ある著作物の一次使用が無料で提供されているからと言って、二次使用が自由という訳ではない。以前、某SNSでラジオの録音物を公開配布されている方がいたので柔らかく注意したところ、「友達同士だから大丈夫。」というとんちんかんな返事が帰ってきた。しかも、驚いた事にその方は番組制作に関係する仕事をしているという。制作会社と放送事業者の間ですら適当な契約をしているくらいなので、制作会社の実務者は著作権をあまり意識する事が無いのかもしれません。
世界には届け出をもって著作権の発生とする国もありますが、日本は「ベルヌ条約」と「万国著作権条約」に加盟しており無方式主義をとっていますから、著作物が誕生したと同時に著作権が発生します。そして、著作者が明示的に二次使用を認めていない限りは、著作権法に従って無断の二次使用はできません。例外として、営利を目的としない上演や私的使用のための複製などが認められていますが、不特定多数の第三者への公衆送信のための複製はこの範囲を明らかに逸脱しているでしょう。そうでなくとも、放送番組はCM・BGM・シナリオ・投稿などの著作権、タレントの肖像権などの様々な権利の複合体であって、放送事業者や制作会社がそれぞれの権利者とどのような契約をしているか分からない以上は、二次使用出来ないと思った方が賢明なのです。
また、非営利ならば著作物を無条件に二次使用可能と勘違いしている方もいらっしゃいます。ソフトウェアやフリー素材等では、非営利に限り二次使用可能という条件付けをする著作者が多いので、それが広まった誤解でしょう。例外で認められるケースもありますが、前述のように私的使用の為の複製と非営利目的の上演に限られます。上演の定義がミソですので、興味があれば調べてみて下さい。
著作権侵害は親告罪なので著作者が権利侵害を訴えて初めて成り立ちますが、裏を返せば権利者の考え方次第で話は大きくなります。また、著作権上問題ない場合でも、著作隣接権やその他の権利を侵害してしまうこともありますので、気をつけましょう。ただでさえグレーゾーンの多い著作権ですが、ITの発展で著作物や複製の定義が大幅に変わってきてますから色々難しいですね。
◆テレビ業界がライブドアに拒否反応を示す理由とは(HotWired Blog - 佐々木俊尚の「ITジャーナル」)
◆テレビ番組の違法ダウンロードが急増(Wired News)
◆「マンション内共有録画サービス」提訴をめぐる、もう一つの見方(ITmedia ライフスタイル)
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