2004年11月 2日 火曜日
HOOVERPHONICは、ベルギーのアンビエント/トリップホップユニット。
本作は、彼らのアルバム「THE MAGNIFICENT TREE」の4曲目に出てくる、架空の歌手ジャッキー・ケーンをフィーチャーし、その盛衰と生涯を全曲を通じて表現したコンセプトアルバム。2003年作。
従来はアンビエントなダンスのアルバムが多かった彼らですが、元々ストリングスのサンプルを多用していて、生楽器との親和性が高かった。本作は、企画モノということもあって、生楽器比率がより高くなっている。特に、オーボエの哀愁感がにじみ出ています。60年代以降のポップスを好み、サウンドの味付けとしてシンセを使用するとスタンスの彼らは、最近の若手に多いリズムコンシャスでループ多様な音楽と違い、ハーモニーと構成が豊か。
ソニーのベガのCMに使用された、2曲目の「One」の匂いたつ空間が最高。3曲目の「Human Interest」もストリングスアレンジが美しい。4曲目の「The World Is Mine」は、Jakie Caneの最盛期を表現したブラスパートを多用したクラシックなダンスナンバーでこれもおすすめ。
総括すると、生楽器に打ち込みの味付けのついた、大人で、美しくて、自然で、優しくて、哀愁のあるポップスって感じかな。結構、お気に入りです。アルバム全体で物語を構成するって、プログレッシブロックな発想ですね。プログレも源流を辿ればクラシック音楽か。
◆HOOVERPHONIC 公式サイト(英語)
「Sit Down and Listen To Hooverphonic」という新作のライブアルバムが出ている模様。日本発売未定。
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