2005年2月 1日 火曜日
試聴できます♪
あまりにも有名なパイプ・オルガンの表題曲はキャッチーで音圧感があり、とても力がある。ミュージカル映画だけあってそれぞれの音楽がとても耳に残る。音楽がすべての映画です。しかし、音楽とセリフが一体となって心に響くのがミュージカルのツボなので、英語がヒアリングできないと魅力半減? 衣装・美術が美しく、あとからジワジワと心に残るストーリー。
◆「オペラ座の怪人」 オフィシャルサイト (GAGA Communications)
◆「オペラ座の怪人」 オフィシャルブログ
【スタッフ】
映画版はいくつもバリエーションがあり、その都度描き方が異なる「オペラ座の怪人」。本作は、「Cats」で有名なAndrew Lloyd Webber版ミュージカルの忠実な映画化で、製作・脚本・音楽はAndrew Lloyd Webber自身。監督はサスペンス・ドラマが得意な「フォーン・ブース」のJoel Schumacherですが、これは完全にAndrew Lloyd Webberの映画と見るべきでしょう。製作会社も氏の所有です。
【キャスト】
日本では劇団四季版「オペラ座の怪人」が有名ですが、ファンの間で最高傑作とされているのは、クリスティーン役をSarah Brightmanが演じる「The Phantom of the Opera (Original 1986 London Cast)」だそうです。Sarah Brightmanが演じるクリスティーンは落ち着きを感じますが、本作のEmmy Rossumの場合は繊細さと純真さが感じられます。ファントム役のGerard Butlerも優しい感じで、こちらの方が現代的なキャストですかね。クリスティーン役のEmmy Rossumはなんとまだ18歳。歌中心でいわゆる一般の演技は少ないという事を差し引いても、すばらしい。将来有望ですね。ちなみに、映画とはいえ基本的には本人たちが歌っています。(一部のキャストはアフレコ。)
「オペラ座の怪人」 (Original 1986 London Cast) - 試聴できます♪
【音楽】
本作は1986年のロンドン・オリジナルキャストとほぼ同一のアレンジですが、映画のためフルオーケストラを使う事ができ重厚なサウンドで、逆にヴォーカルは繊細なのが特徴です。楽曲はミュージカルらしく、言葉が聞き取りやすいようにシンプルでキャッチーです。楽曲のオリジナル発表から20年経っているので多少クラシカルな感もありますが、やはり多くの人に受け入れられた作品だけあって、分かりやすくメロディーにパワーがありますね。様式美があるので、西欧へヴィーメタルなどメロディアスなロックが好きな人にもいいかもしれない。
【映像・脚本】
冒頭の1919年から1870年代へワープしするシーンは、モノクロからカラーへ色づいて美しい。時々登場する1919年のシーンはいずれもモノクロで、現代よりも記憶の中の過去の方が色付いています。これは、主舞台が過去だからという当然の理由もありますが、エンディングのラストカットで効果を発揮する視覚効果的伏線の意味合いもあるようですよ(見れば分かります)。やや、前半の展開がダルく感じましたが、終盤は楽しめました。衣装・美術が美しいです。
【ファントム】
勝手な深読みですが、ファントムの遊びを知らないストイックで孤独な創作活動と、そこから生じる歪んだ社会性、視野狭窄で不器用な愛情表現は、Andrew Lloyd Webberが創作活動の中で蓄積された自身の感情を誇張したものじゃないかなんて思ってしまいました。ちなみに、ミュージカル版ではファントムの生い立ちは想像にまかされますが、この映画でははっきりと描かれます。終盤は、ファントムの方に感情移入してしまい、寂しい気持ちになりました。人間的にまずいでしょうか(笑)
【総評】
ミュージカルの場合、舞台の上で舞台の話をするという、想像力と臨場感を倍増させる効果的な入れ子のギミック(お墓で怪談するようなもん !?笑)が生きるのですが、映画だとそれがないので残念ですね。やっぱりミュージカルの方を見たい気がします。後半は面白かったのですが、前半は抑揚に欠ける気がする。とはいえ、2時間23分もあるのに長く感じなかったので、よくできてるのかも。 ホラー調の「オペラ座の怪人」もある中、この映画はラブ・ストーリーに重点が置かれていて、ファントムがあまりにも生身の人間らしいのが賛否の分かれるところでしょう。あと、いくらブロードバンド時代とはいえ、公式サイト重過ぎ…。
ということで、音楽は良いのですが、総合的には星3つと平均的なレベルでした。[★★★☆☆]
また書きすぎたなぁ。。。
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