2005年4月26日 火曜日
キアヌ・リーブス主演、アメリカンコミック「The Hellblazer」が原作のダークヒーローもの。話に「マトリックス」との共通点が多いように感じますが、世界観が斬新で映像にも現実味があり、楽しめました。キリスト教に理解が深いと、身近な文化の話としてより楽しめるかもしれません。Toho-Cinemasで視聴。全室THX対応なので、やはり音がいい。
■あらすじ
天使や悪魔を見る特殊能力を持って育ったジョン・コンスタンティン(キアヌ・リーブス)は、子供の頃に犯した自殺未遂の罪を帳消しにする為に、天国と地獄のエージェントとして働いている。天使/悪魔は、現世に存在するハーフブリードと呼ばれる代行者を通じ、間接的に人間に影響を与えてはいたものの、直接現世に降りてくる事は無かった。しかし、キリストの処刑に使われたという「運命の槍」が発見されたのをきっかけにバランスが崩れ、悪魔が現世に進出をもくろみ始める。女刑事アンジェラとの出会いによって、それを阻止することになるコンスタンティンだが・・・。
■MatrixとConstantinの対比
マトリクスと似てる部分がいくつかあるように感じたので、簡単に比較。
Matrix
・マシーンと人間の戦い、それを知らない仮想世界(Matrix)の一般人。
・マシーンの手先として、仮想世界の異変を排除するエージェントの存在。
・特殊な力を持ち、見えない世界を見る事が出来るようになった主人公。
・IT/システムの文化を元に着想を得たストーリー。
Constantin
・天使と悪魔の戦い、それを知らない現世の一般人。
・現世での天使/悪魔の活動を代行するハーフブリードの存在。
・特殊な力を持ち、見えない世界を見る事が出来るようになった主人公。
・キリスト教の文化を元に着想を得たストーリー。
■キャスト
アンジェラを演じるレイチェル・ワイズ(ハムナプトラのヒロイン役として有名)の演技が良いですね。個人的に、この女優さん、すごく好きなんです。キアヌ・リーブスだけでは硬質になりがちな世界観が、レイチェル・ワイズの柔らかい演技・表情によっていい意味で中和されています。他にも、ルシファー(サタン)役のピーター・ストーメアや、ガブリエル役のティルダ・スウィントンなど、存在感があって個性的な俳優が多いですね。ルシファーは渋くて色気があり、素晴らしかった。悪魔なのに純白っていうのも衣装センスが良い。これは、ルシファーが大天使から地獄に堕ちた駄天使である事に由来しての選択かもしれません。
■まとめ
自分のためだけに力を使い孤独に生きてきた主人公が、悩み葛藤しながら、他の誰かのために力を使うように成長していく姿は人間らしくて共感できます。今まで見てきたダークヒーロー(「スポーン」, 「リディック 」など)よりも、さらに人間らしい。細かいところですが、ラストシーン間際のコンスタンティンとアンジェラの距離感の描写が印象に残りました。近づきたいけど近づけないというためらいが切なく、とても素敵です。独特な動きのアクション+カメラワークも視覚的に面白く感じました。パンフ等に書かれているように、フィルム・ノワール、ホラー、ファンタジー、アクションなどのジャンルが融合されていて、独自の世界観が現実味を重視して作られていて、面白い。後味もすっきりしてます。
ということで、星4つ。[★★★★☆]
ついでに:
エンドロール後にワンシーンあるので、すぐに席を立たないようにしましょう。
■関連リンク
◆「コンスタンティン」 オフィシャル・サイト
◆オリジナル・サウンドトラック「コンスタンティン」
◆PlayStation2用ゲームソフト「CONSTANTINE」
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