2005年9月26日 月曜日
エイベックスが商売を優先にして、著作権をないがしろにしたような所業を行っているという事で、世間を賑わしているそうです。一音楽ファンとして、また著作権に多少関心があるものとして、今回の騒動はなかなか許しがたく思いますね。
問題になっているのはエイベックスが販売するCDの特典DVDに登場する「のまネコ」というキャラクター。
DISCO-ZONE ~恋のマイアヒ~(DVD付)
この「恋のマイアヒ」という曲は、O-Zoneというアーティストの原題「Dragostea Din Tei」というディスコチューンで、少し前にヨーロッパでヒットしたなかなかノリの良い楽曲。何故、今頃日本でヒットしたかというと、何かと話題の某2ちゃんねるの住民が替え歌のFLASHを制作し、これがウケたから。商売と関係なく楽しんでいたのを、エイベックスが商売としてFLASHと2ちゃんねるのキャラクターごと横取りしたから、揉めてる訳です(さすがにFLASHの使用は合意があったのかと思います)。もともとのFLASHでの楽曲使用が許諾無しの違法使用だし、2ちゃんねるのキャラクターの権利者も曖昧だから、正規のレコード会社にはケチは付けられないだろうと踏んだのでしょうが、権利そのものを商売にしていると言っても過言ではない音楽著作権ビジネスにおいて、このような動きは軽卒としか言いようがありません。
-ニュース記事-
◆「のまネコ」は「モナー」? ネットで騒動に (IT Media)
◆「のまネコ」騒動にエイベックスが公式見解発表——インスパイアされたオリジナル? (HotWired Japan)
◆「のまタコ」キャラ展開? ひろゆき氏、エイベックスに公開質問状 (IT Media)
さらに騒動に火を注いだのが、エイベックスが事態を収集しようとして出した以下のコメント
『のまネコ』は、ネット掲示板において親しまれてきた『モナー』などのアスキーアートにインスパイアされて映像化され、当社と著作権管理会社が商品化にあたって新たなオリジナリティを加えてキャラクター化したもの。皆様において『モナー』などの既存のアスキーアート・キャラクターを使用されることを何ら制限するものではございません。
エイベックスが権利者であることがそもそも疑問視されているのにも関わらず、要約すると「僕らが権利を取得したから商売やめないけど、君たちが使う分には訴えないよ。」という筋違いのコメントです。
著作権法上、追加/編集をすれば確かに新しい権利は発生しますが、オリジナルの部分の権利は元々の創作者に留保されるため許諾無しでは使えないはずです。したがって、インスパイアされたものにオリジナリティーを加えただけでは、自分が100%の権利のコントロールはできないはず。残念な事に著作権侵害は親告罪のため、権利を侵された者が訴え出ない限り、罪を問われない。権利者の主体があいまいな共同著作物は最初から不利だというところにつけ込んでいますね。それと、できればどのあたりにオリジナリティーを加えたのが聞いてみたい。
エイベックスの理屈が通るならば、いっそのこと、エイベックスの所属アーティストの曲とメロディーが似たような曲をバンバン作ってやって、「インスパイアされてオリジナリティーを加えて作品化してみました。権利者は私です。」と言ってみるのも面白いかと思います。
こうなっては、エイベックスには音楽の違法ダウンロード/違法コピー防止を啓蒙する説得力はありません。自社のみならず、音楽業界全体に悪影響を与えたといっても過言ではないでしょう。
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この記事、今日読んでました。
玩具メーカーのタカラが、2ちゃんねるのキャラクター、ギコ猫の商標登録を申請し、騒動が起きたことも合わせて載っていましたね。
どうみたって、「のまネコ」は「モナー」だよな。。。
タカラもですか。。。知りませんでした。電車男がヒットしたせいで、2ちゃんねるが商売連中にたかられているようですね。
エイベックスの場合は、もともと欧州方面からダンスミュージックの音源を買い付けて、日本に紹介して成長した会社だから、流行ってるものはどうにかして持って来て売れば良いという発想が根っこにあるのかもしれませんね。