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  • 『「叫(さけび)」黒沢清 監督』
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  • 2007年03月
  • Category: 映画
  • Tags: 役所広司 , 黒沢清
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2007年3月25日 日曜日

「叫(さけび)」黒沢清 監督

叫
叫

 シネセゾン渋谷で、黒沢清 監督×役所広司 主演の最新作「叫(さけび)」を鑑賞してきました。黒沢清初の本格ミステリーと言われているが、そこは黒沢清。やはり一筋縄では行かない。幽霊映画を現代的な視点で描いた不条理劇。

■シナリオ・演出
 時代の流れに取り残された埋め立て地を舞台に、話は淡々と進みます。少しずつ現実と虚構の境界を曖昧にしていく展開により、気づくと黒沢清の迷路の中に立たされている。ミステリー、ホラー、ファンタジーをクロスオーバーし、既存のジャンルにとらわれない作風。あらすじは、公式サイトを見て下さい。


■キャスト
 役所広司、小西真奈美、葉月里緒菜、伊原剛志、オダギリジョー

 存在感のある役者ばかりですが、各々が硬派な演技で統一感があります。(オダギリジョーはやや浮き気味でしたが。)


■音楽
 劇中音楽は、蓜島邦明。映画の内容が内容だけに、印象に残るような旋律はなく、和音が空間に漂うようなサウンドトラックでした。

 エンディングは、中村中。家で音楽を聴くときは、大抵何かをしながらのことが多いのですが、改めて映画館でスピーカーと対峙して聴くと、中村中の声がすごく奇麗なことに気づかされます。
風になる
風になる / 中村中


■映像
 ざらついたような、ぼやけたような独特な映像の質感。鉄、コンクリート、砂、泥、水などが、生々しく五感に訴えかける。終末的な黒い曇り空は、いかにも黒沢映画。景色の一切映らない自動車の移動シーン、生活感のない吉岡(主人公)の部屋などが、現実感を奪っていく。また、都市の裏側の風景が、時代に取り残されてしまった寂しさと同時に、昔から変わらない懐かしさ・安心感などの不思議な感情を呼び起こしてくれる。

 小西真奈美の無声のラストカットが非常に象徴的・印象的で美しい。


■まとめ
 黒沢清の映画は大抵、最後は登場人物が別世界に旅立ってしまい、誰もいなくなってしまう。しかし、逃避ではなく、むしろ自己の核に踏み込んでいくような、不思議な安心感がある。

 スピードが命の現代人は、優先順位の低い些細な事柄を日々切り捨てて、前に進んでいる。しかし、どうでも良いと思っていたことが、実はとても大切な事柄だったら? 誰もが感じたことがあるであろう、何かを切り捨てるときに感じる、非常に小さい罪悪感や恐怖感。そして、日常の中で感じる、不可逆である時間の脅迫。これらを具現化し、増大することで産まれるリアルな感触が、黒沢映画の特徴だと思う。
[★★★★☆] (4/5)


■関連リンク
・シネセゾン渋谷
 http://www.cinemabox.com/schedule/shibuya/
・「叫(さけび) 」- 公式サイト
 叫-banner

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2007年3月25日 22:28 | Permalink | コメント(0) | トラックバック(1)

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