2007年8月27日 月曜日
「2077日本鎖国」というちょっとショッキングなコピーと予告編のCGのクオリティに惹かれて、久々にSFアニメを観てきました。設定は面白いが、世界観はやや作り込み不足。しかし、映像と音楽が素晴らしい。「ピンポン」を監督し、「アップルシード」をプロデュースした曽利文彦が監督。
シナリオの密度が低く、出来事の動機付けも甘いが、逆に、映像や音楽を楽しむ余裕があってバランスが良かった。日本のSFアニメは、濃密な原作を無理矢理2時間に収めた結果、一度観ただけでは全てを捉えきれず、脚本・音楽・映像の情報量に溺れてしまうような作品が多いので、娯楽映画としてはこれくらいがちょうど良い。
また、映像が非常に美しい。色づけが綺麗だし、動きもモーションキャプチャーとトゥーンシェーディングの技術はここまで上がったのかと感心した。トゥーンシェーディングを用いた作品は今までにもあるが、ここまで自然でアートな仕上がりになっているものは初めて。
音楽は、BOOM BOOM SATELLITES, Asian Dub Foundation, The Prodigy, Underworldなど、日本映画とは思えないような豪華参加者。このサントラはハッキリ言って買いです。スコアは、Matrix ReloadedのPaul Oakenfold。音と映像のシンクロもテンポが良い。
Together again(初回限定盤)(DVD付)
エンディングは、韓国出身でエイベックス所属のmink。低音で深みのあるハスキーな声と正確なヴィブラートが素敵です。サウンドトラックの参加陣が超豪華ですが、まったく負けていません。(ちなみに、この曲はサントラには入っていませんので、シングルを。)
男女の微妙な感情の揺らぎがさりげなく描かれたり、「生命を繋ぐというのはどういう事か」ということを爽やかに問いかけたり、押し付けがましくない自然な演出にも好感が持てます。日本のSFアニメと言うと、たいていSF知識の素養が必要でコアなマニア向けのイメージが強いものですが、普通のSFアクション映画の感覚で楽しめるバランスの良さに拍手。
星4つ[★★★★☆]
・ベクシル オフィシャルサイト
http://www.vexille.jp/
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