2008年2月24日 日曜日
当たり外れが大きそうだなと思いながら、レンタルDVDで鑑賞。今までに見た事のない作風で、割と良かった。
三島由紀夫賞候補にもなった本谷有希子の同名の戯曲「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 」が原作。女優になることに異常に執着し周囲の迷惑を省みない姉と、それを我慢しながら漫画に発散する妹。そして、周辺の救いようのない人間関係をブラックユーモアたっぷりに描く。監督は、長編デビュー作にも関わらず健闘したと思います。
CGは安っぽいんですが、扇風機や鉄道、バス、郵便ポストなどが夏の蜃気楼に浮き立ち、味のある画で随所を引き締めます。便せんとポストが深紅に強調されているのは、おどろおどろしい感じとキーアイテムの暗示なのかな。田舎の景色の開放感が、狭い人間関係の閉塞感と相対して、独特なバランスを醸し出していて、不思議な気分です。
以前、「キューティーハニー」という至上最低な映画をうっかり観てしまい、完全に佐藤江梨子は演技が出来ないものかと思っていましたが、今回は意外にまともでした。本人が成長したのか、庵野監督の功罪ですね。あれはきっと。あと、明和電気の人が出てたりしておかしい。
ちなみに、どうも松尾スズキのにおいがする作品だと思ったら、原作者は大人計画に参加していた事があるそうです。
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